「一度作ったら放置」は許されない。OSの寿命を知ることが、セキュリティの第一歩。
こんにちは!「LINUX工房」管理人の「リナックス先生」です。
2026年2月現在、Linuxの世界は新たな転換期を迎えています。
長らくサーバーOSの覇者であったCentOS 7が2024年に完全に姿を消し、その後継として定着した AlmaLinux 9。
そして、RHEL 10のリリースに伴い登場した最新鋭の AlmaLinux 10。
デスクトップとクラウドで圧倒的なシェアを誇る Ubuntu LTS と、その派生である Linux Mint。
選択肢が増えるのは良いことですが、同時に「結局、どのOSがいつまで使えるの?」「今から構築するならどれが正解?」という悩みも増えています。
OSのサポート期限(EOL: End Of Life)を誤解したまま運用すると、数年後に「セキュリティパッチが降りてこない!」という致命的な事態に陥ります。
先生、相談です!
会社の新しいファイルサーバーと、自宅の開発用PCのOSを選ばなきゃいけないんです。
ネットで調べると「AlmaLinuxは10年サポート」とか「UbuntuはProで12年」とか書いてあって、数字がバラバラで混乱してます。
2026年の今、一番長く安心して使えるOSってどれなんですか?
あと、Ubuntu 26.04が出るって聞いたんですけど、それを待ったほうがいいですか?
コウ君、その悩みはエンジニアなら誰もが抱えるものよ。
数字だけに惑わされちゃダメ。「サポート」にも種類があるの。
「新機能が追加される期間」と「セキュリティ修正だけされる期間」は違うし、有償オプションで伸びる場合もあるわ。
今回は、2026年時点での主要ディストリビューションの寿命を、表を使って完全に整理しましょう!
本記事では、AlmaLinux、Ubuntu、Linux Mintの3大ディストリビューションについて、2026年最新のサポート期限情報を整理し、用途別の推奨OSを決定します。
目次
第1章:【総まとめ】2026年版 サポート期限比較マトリックス
まずは結論から。
主要なバージョンのサポート期限を一目で比較できる表を作成しました。
太字は2026年2月時点で「現役(メインストリーム)」として使えるバージョンです。
| OS名 | バージョン | リリース時期 | アクティブサポート (機能追加・バグ修正) |
セキュリティサポート (重大な脆弱性のみ) |
|---|---|---|---|---|
| AlmaLinux (RHEL互換) |
8.10 | 2021年 | 終了 (2024年5月) | 2029年 5月31日 |
| 9.x | 2022年 | 2027年 5月31日 | 2032年 5月31日 | |
| 10.x | 2025/2026年 | 2030年 (予定) | 2035年 (予定) | |
| Ubuntu LTS | 22.04 LTS | 2022年4月 | 2027年 4月 | 2032年 (Pro利用時) |
| 24.04 LTS | 2024年4月 | 2029年 4月 | 2034年 (Pro利用時) | |
| 26.04 LTS | 2026年4月 | 2031年 4月 | 2036年 (Pro利用時) | |
| Linux Mint | 21.x (Vanessa系) | 2022年 | 2027年 4月 | 左記と同じ |
| 22.x (Wilma系) | 2024年 | 2029年 4月 | 左記と同じ |
※「アクティブサポート」:新機能の追加やハードウェア対応が含まれる期間。
※「セキュリティサポート」:重大な脆弱性の修正のみが提供される期間。
第2章:AlmaLinuxのライフサイクル。RHEL互換の10年保証
AlmaLinuxは、企業向けLinuxのデファクトスタンダードである「Red Hat Enterprise Linux (RHEL)」とバイナリ互換を持つ、無料のOSです。
その最大の特徴は、RHELと同じく「リリースから10年間のサポート」が約束されている点です。
AlmaLinux 9 (2032年まで)
2026年現在、最も多くの企業サーバーで稼働しているのがこのバージョンです。
安定期に入っており、枯れた技術と新しいコンテナ技術のバランスが取れています。
- フェーズ: 2027年までは「フルサポート」期間です。新しいハードウェアへの対応や、機能改善も行われます。それ以降は「メンテナンスサポート」となり、重大なバグ修正のみになります。
- 推奨用途: 現在稼働中のWebサーバー、DBサーバー、業務アプリ基盤。
AlmaLinux 10 (2035年まで)
RHEL 10のリリース(2025年中盤〜後半)に追随して登場した最新バージョンです。
PythonやGCC、OpenSSLなどのバージョンが一新され、AIや機械学習向けのライブラリとの親和性が高まっています。
- フェーズ: リリース直後のため、まだ対応していないサードパーティ製ソフトウェアがあるかもしれません。
- 推奨用途: これから新規構築するシステム、最新のミドルウェアを使いたい開発環境、AI/ML基盤。
⚠️ 注意:CentOS Streamとの違い
「CentOS Stream」はRHELの「開発版(アップストリーム)」であり、サポート期限という概念が希薄で、常に更新され続けます(ローリングリリースに近い)。
安定したサーバー運用を求めるなら、固定リリース制のAlmaLinuxを選ぶのが鉄則です。
第3章:Ubuntu LTSのライフサイクル。5年+Proの魔法
Ubuntuには、半年に一度出る「通常版」と、2年に一度出る「LTS(長期サポート版)」があります。
サーバーや業務端末で使うのは、間違いなく LTS (Long Term Support) です。
基本サポートは「5年」
Ubuntu LTSの標準サポート期間は、リリースから5年間です。
つまり、2024年に出た「24.04 LTS」は、無料で2029年まで使えます。
Ubuntu Proで「+5年〜」延命可能
ここがUbuntuの強みです。
無料の「Ubuntu Pro(個人利用なら5台まで無料)」に登録することで、セキュリティサポート期間を大幅に延長できます。
これにより、合計で10年〜12年の運用が可能になります。
- Ubuntu 22.04 LTS: 標準2027年まで → Proで2032年(Legacy Support含めると2034年)まで
- Ubuntu 24.04 LTS: 標準2029年まで → Proで2034年まで
2026年4月リリースの「26.04 LTS」
本記事執筆時点(2026年2月)では、次期LTSである「26.04」のリリースが目前に迫っています。
今から新規構築する場合、あえて24.04を入れておき、26.04の最初のポイントリリース(26.04.1 / 8月頃)を待ってからアップグレードするのが、最もバグを踏まない賢い戦略です。
第4章:Linux Mintのライフサイクル。シンプルイズベスト
Linux Mintは、Ubuntu LTSをベースにしたデスクトップ向けのOSです。
サーバー用途ではなく、普段使いのPCとして圧倒的な人気を誇ります。
ベースのUbuntu LTSと運命を共にする
Linux Mintのサポート期限は非常にシンプルです。
「ベースとなっているUbuntu LTSの標準サポート終了日と同じ」です。
- Linux Mint 21.x (Vanessaなど): Ubuntu 22.04ベース → 2027年4月まで
- Linux Mint 22.x (Wilmaなど): Ubuntu 24.04ベース → 2029年4月まで
Ubuntu Proの恩恵はない
注意点として、Ubuntu Proのようなサポート延長オプションは、Linux Mintには公式には提供されていません。
5年が経過したら、素直に新しいメジャーバージョンへアップグレード(クリーンインストール推奨)する必要があります。
デスクトップOSとして使う分には、5年も経てばハードウェアも陳腐化しているため、ちょうどよいサイクルとも言えます。
第5章:トラブルシューティング。「期限切れ」を確認する方法
「自分の使っているOS、実はもう期限切れなんじゃないか?」
そう不安になったら、以下のコマンドで現状を確認しましょう。
1. 現在のバージョンを確認する
どのLinuxディストリビューションでも、以下のコマンドでOS情報を表示できます。
cat /etc/os-release
出力例(AlmaLinux 9の場合):
NAME="AlmaLinux"
VERSION="9.5 (Teal Serval)"
ID="almalinux"
ID_LIKE="rhel centos fedora"
VERSION_ID="9.5"
...
2. Ubuntuのサポート状況を確認する
Ubuntuの場合、pro コマンドで詳細なサポート状況を確認できます。
pro status
もし「Ubuntu Pro: disabled」と表示されていたら、標準サポート(5年)の範囲内です。
「ESM-Infra」などが有効であれば、拡張サポートが適用されています。
3. パッケージ更新エラーが出る場合
dnf update や apt update をした際に、以下のようなエラーが出る場合は、そのOSバージョンがEOL(End Of Life)を迎えており、リポジトリが閉鎖されている可能性があります。
- AlmaLinux/CentOS:
Failed to download metadata for repo 'appstream',404 Not Found - Ubuntu/Mint:
404 Not Found,Release file is expired
この場合、速やかにOSの入れ替え(移行)が必要です。
応急処置として、リポジトリのURLを「Vault(アーカイブ)」に向けることで一時的にダウンロードできるようになりますが、セキュリティリスクは解消されません。
第6章:用途別・プロが選ぶ2026年の最適解
結局、どれを選べばいいのでしょうか?
プロのエンジニア視点で、用途別の「ベストな選択」を提示します。
🏢 企業の基幹サーバー
👉 AlmaLinux 9 or 10
理由: 10年間の長期サポートと、RHEL互換の信頼性。商用ソフトウェア(Oracle DBなど)の動作要件を満たしやすい。
2026年なら、安定重視で「9」、新規で「10」のどちらでもOK。
☁️ Web・AI開発
👉 Ubuntu 24.04 LTS
理由: AIライブラリ(PyTorch, TensorFlow)やDockerなどのドキュメントが最も充実している。
クラウド(AWS, Azure)での標準OSとしても扱いやすい。
💻 個人のデスクトップ
👉 Linux Mint 22
理由: Windowsからの移行でも違和感がないUI。
Ubuntuベースなのでソフトに困らず、Snapを強制しないなどの「ユーザーフレンドリー」な設計。
2026年問題:Ubuntu 26.04 を待つべきか?
2026年4月にリリース予定の「Ubuntu 26.04 LTS」ですが、サーバー用途であれば「リリース直後の導入は避ける」のが鉄則です。
最初のポイントリリース(26.04.1)が出る8月〜10月頃までは、細かなバグが残っている可能性があります。
今すぐ構築するなら、枯れて安定している「24.04 LTS」を選び、2年後にアップグレードパスが開通してから移行するのが最も安全です。
まとめ:OS選びは「終わりの日」を決めること
お疲れ様でした。
OSのサポート期限は、システム全体の寿命を決める最も重要な要素です。
今回の重要ポイント:
- AlmaLinux 9 は2032年まで使える、企業の鉄板OS。
- AlmaLinux 10 は2035年まで。最新技術を使いたい新規構築向け。
- Ubuntu LTS は標準5年だが、Proを使えば10年以上戦える。
- Linux Mint は5年で買い替え(再インストール)サイクルと考えよう。
「サポートが切れたOS」を使うのは、鍵のかかっていない家に住むようなものよ。
2026年は選択肢が豊富な年だから、自分の目的に合ったOSを選んで、長く安全に使ってあげてね。
構築で詰まったら、いつでもこのブログに戻ってきて!
OSが決まったら、次は実際のインストールや初期設定に進みましょう。
以下の記事で、手順を詳しく解説しています。
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