【連載第1回】AlmaLinux 9でWebアプリ開発!未経験から始めるLAMP環境構築入門【サーバー準備編】

LAMP講座

【連載】ゼロから始めるWebアプリ開発!AlmaLinux 9で作るLAMP環境構築講座

今日からスタートする大型連載企画、「AlmaLinux 9とLAMP環境で作る!Webアプリ開発完全ロードマップ(全12回)」へようこそ。

「プログラミングを勉強したいけど、何から手をつけていいかわからない」「ProgateなどでHTMLやPHPを触ってみたけれど、それをどうやってインターネットに公開するのかわからない」
そんな悩みを持っていませんか?

本講座のゴールは、Linuxの黒い画面(ターミナル)を触ったことがない完全未経験者が、「自分だけの写真投稿掲示板」をゼロから作り上げ、実際に世界中に公開することです。

単なる知識の詰め込みではなく、手を動かしながら「サーバー構築」「データベース連携」「セキュリティ対策」「独自ドメイン設定」まで、現場で通用するWebエンジニアの基礎体力を身につけます。

講師を務めるのは、当サイト管理人の「リナックス先生」。そして、生徒役の「コウ君」と一緒に、初心者がエラーに躓きやすいポイントを一つひとつ解消しながら進めていきましょう。

コウ君

先生!僕、将来はWebエンジニアになりたいんです。
Instagramみたいな画像投稿サイトを作って、就職活動のポートフォリオ(作品集)として企業に見せたいんですけど…正直、何から勉強すればいいか分からなくて。

リナックス先生

素晴らしい目標ね!
それなら、流行りのフレームワークや便利ツールに飛びつく前に、まずはWebシステムの基礎である「LAMP(ランプ)環境」を自分で構築できるようになりましょう。
ここを理解していれば、将来どんな新しい言語や技術が出てきても通用する「本当の技術力」が身につくわよ。

本講座のカリキュラム(全12回)

この連載は、以下のステップで進めていきます。ブックマークして、順番に進めていくことをおすすめします。

  1. 【今回】サーバー準備編:なぜVPSが必要?AlmaLinux 9の初期設定とSSH接続
  2. Webサーバー編:Apache(httpd)のインストールとファイアウォール設定
  3. データベース編:MariaDB(MySQL)のインストールとセキュリティ設定
  4. プログラミング言語編:PHP 8.xの導入と設定ファイルのチューニング
  5. 権限・パーミッション編:LinuxでWebサイトを公開するための「所有者」の概念
  6. 接続テスト編:PHPからデータベース(DB)に接続してみよう
  7. アプリ開発①:HTML/CSSで掲示板の「見た目」を作る
  8. アプリ開発②:投稿機能(Create)の実装とデータの保存
  9. アプリ開発③:一覧表示機能(Read)と画像表示の仕組み
  10. アプリ開発④:編集・削除機能(Update/Delete)の実装
  11. セキュリティ編:XSSやSQLインジェクション対策の基礎
  12. 公開編:独自ドメイン設定と無料SSL(Let’s Encrypt)でHTTPS化

それでは、記念すべき第1回を始めましょう!


第1回:エンジニアへの第一歩「サーバー」を用意しよう

コウ君

よし、やるぞー!
まずは僕のWindowsパソコンにLinuxをインストールすればいいんですよね?
お金もかからないし、手軽だし!

リナックス先生

ストップ!!
コウ君、それが多くの初心者が最初に陥る「挫折の罠」なのよ。
少し厳しいことを言うけれど、プロを目指すならその考え方は今すぐ捨てなさい。

なぜ「自分のPC」で勉強してはいけないのか?

プログラミング学習において、「環境構築(プログラムが動く土台を作ること)」は最も難しい壁の一つです。
自分のPC(ローカル環境)で学習を始めようとすると、以下の致命的な問題に必ず直面します。

  • OSの違いによるエラー地獄:
    Webサーバーの多くはLinuxで動いていますが、あなたのPCはWindowsやMacです。ファイルのパスの書き方(\/の違い)や改行コードの違いなどで、「テキスト通りに打ったのに動かない」というエラーが多発します。
  • 環境が汚れてPCが重くなる:
    XAMPPやDockerなど、いろいろなツールを入れたり消したりしているうちに設定が競合し、PCの動作がおかしくなることがあります。
  • 誰にも見せられない(一番のデメリット):
    苦労してWebアプリを完成させても、それはあなたのPCの中にしかありません。友達にURLを送って自慢することも、就職面接でスマホから採用担当者に見せることもできません。
リナックス先生

だからこそ、本気でエンジニアを目指すなら「VPS(仮想専用サーバー)」を使うのが鉄則よ。
月額数百円のコストはかかるけど、「真っさらなプロ仕様のLinux環境」が手に入るから、教科書通りに進めれば必ず動くの。
何より、「世界中どこからでもアクセスできるURL」が手に入るのは大きな武器になるわ。

この講座では、初心者でも使いやすく、時間単位で課金ができる(失敗してサーバーを削除すれば数十円で済む)ConoHa VPSなどを推奨しています。
まだ持っていない人は、以下の記事を参考にサーバーを用意してから続きを読み進めてください。

【2026年最新】Linuxサーバー構築におすすめのVPS比較3選!現役エンジニアが速度とコスパで厳選
Linuxの勉強、まだ「自分のPC」でやって消耗していませんか?「Linuxを覚えたいけど、環境構築でエラーが出て先に進めない…」「VirtualBoxを入れたらパソコンが重くなった…」これは、Linux学習を始める9割の人がぶつかる壁です...

OSの選定:なぜ「AlmaLinux 9」なのか?

VPSを契約する際、サーバーに入れるOS(オペレーティングシステム)を選択する必要があります。WindowsやMacではなく、サーバー用途に特化した「Linux」を使いますが、その中にもUbuntuやDebianなど多くの種類(ディストリビューション)があります。

本講座では「AlmaLinux 9(アルマリナックス)」を使用します。

AlmaLinux 9を選ぶ理由

  • RHEL互換の信頼性:
    世界の企業の業務システムで最も使われている有料OS「Red Hat Enterprise Linux (RHEL)」と中身がほぼ同じ(バイナリ互換)で、無料で使えるOSです。これを覚えておけば、インフラエンジニアとしての仕事にも直結します。
  • CentOSの正統後継:
    かつてWebサーバーOSの定番だった「CentOS」の開発方針変更に伴い、現在のスタンダードになりつつあるのがこのAlmaLinuxです。
  • 長期サポート:
    バージョン9は2032年までセキュリティ更新がサポートされるため、一度構築すれば長く安心して使い続けられます。

実践:SSH接続で「黒い画面」に入ってみよう

コウ君

VPSの申し込み画面で「AlmaLinux 9」を選んで、契約しました!
IPアドレスとパスワードもメモしました。次は何をすればいいですか?

リナックス先生

いよいよ接続よ!
自分のパソコンから、インターネットを経由して遠くにあるVPSを遠隔操作するための仕組み「SSH(セキュア・シェル)」を使います。
通信が暗号化されているから、パスワードなどを盗み見られることなく安全に操作できるの。

Windows/Macでの接続方法

特別なソフトをインストールする必要はありません。PCに標準搭載されているツールを使います。

  • Windowsの人: スタートメニューから「PowerShell」または「コマンドプロンプト」を探して開く。
  • Macの人: アプリケーションフォルダから「ターミナル」を探して開く。

黒い画面が開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押してください。
123.456.78.90 の部分は、あなたのVPSの「IPアドレス」に書き換えてください。

ssh root@123.456.78.90

これは、「root(ルート)という管理者ユーザーとして、123.456.78.90という住所のサーバーに接続します」という命令です。

初めて接続したときの注意点

最初に接続すると、以下のような英語のメッセージが出ます。

The authenticity of host '123.456.78.90' can't be established.
ED25519 key fingerprint is ...
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?

これは「初めて接続するサーバーだけど、本当に信用していい?」というPCからの確認です。
キーボードで yes と入力してEnterを押してください。

次にパスワードを求められます。

root@123.456.78.90's password:

VPS契約時に設定した「rootパスワード」を入力します。

※ここが初心者が一番ハマるポイントです!
セキュリティのため、パスワードを入力しても画面には「*」や「●」などの文字は一切表示されず、カーソルも動きません。
何も反応がないように見えますが、入力は受け付けられています。自信を持って正確に入力し、最後にEnterを押してください。

以下のような表示になれば、ログイン成功です!

[root@localhost ~]#

最初の儀式:dnf update

コウ君

入れました!なんか映画に出てくるハッカーみたいでカッコいいです!
さっそくWebサイトを作りたいです!

リナックス先生

焦らないで。サーバーを立ち上げたら、何よりも先にやるべき「最初の儀式」があるわ。
それが「全ソフトウェアのアップデート」よ。
これをやらないと、セキュリティの穴(脆弱性)が開いたままになってしまうの。

VPSのOSイメージは、作られた時点でのバージョンになっています。
最新の機能を取得し、セキュリティを強固にするために、以下のコマンドを実行してください。

dnf update -y

コマンド解説:

  • dnf : AlmaLinux(RHEL系)でソフトを管理するコマンド。スマホで言う「App Store」や「Google Play」のようなものです。
  • update : インストールされている全ソフトの更新を確認し、最新版にする命令です。
  • -y : 途中で「更新していいですか?(y/n)」と何度も聞かれるのを、最初からすべて「Yes」で答えるオプションです。

画面に文字が大量に流れ、インストールが始まります。
最後に Complete! と表示されれば完了です。これで、あなたのサーバーは最新かつ安全な状態になりました。

次回予告:Apacheを入れて世界に公開しよう

今回は、エンジニアとしての第一歩、VPSの準備とSSH接続を行いました。
この黒い画面(ターミナル)での操作に慣れることが、Webアプリ開発の基本です。

次回は、いよいよ「Webサーバー(Apache)」をインストールします。
これを入れることで、ブラウザのアドレスバーにIPアドレスを入力すると、あなたの作ったページがインターネット上に表示されるようになります。

リナックス先生

次回までに、必ず自分のVPSを用意して、dnf update まで終わらせておくこと!
これができないと、次からの授業にはついてこれないわよ。準備はいい?

▼まだサーバーがない人はこちらから(推奨環境)

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