「では、画面を共有してコードを書いてください」と言われても焦らないために。
こんにちは!「LINUX工房」管理人の「リナックス先生」です。
前回は、数ある企業の中から「自分に合った会社」を選び出す戦略について解説しました。
書類選考も通過し、いよいよあなたは企業のエンジニア(未来の同僚や上司)と直接対話するステージに立ちます。
しかし、最近のテック企業の面接は、昔のような「志望動機」や「自己PR」を語るだけの場ではありません。
「ライブコーディング」「システムデザイン面接」と呼ばれる、その場で技術力を証明する実践的な試験が増えています。
ここで多くのエンジニアが、「頭では分かっているのに手が動かない」「沈黙してしまって落ちる」というトラウマを経験します。
先生、想像しただけでお腹が痛いです……。
人に見られながらコードを書くなんて、緊張して絶対バグりますよ!
それに「Twitterみたいなシステムを設計して」なんて言われても、何から答えればいいのか……。
AIを使っちゃダメなんですか? 普段はCopilot頼りなのに!
コウ君、落ち着いて。
面接官が見ているのは「正解したかどうか」じゃなくて、「どう考えたか(思考プロセス)」なの。
分からない時にどう振る舞うか、AIをどう活用するか、そのコミュニケーション能力こそが試されているのよ。
今回は、面接官の視点から「合格ライン」を超えるための立ち回りを伝授するわ!
本記事では、オンライン面接の環境設定から、ライブコーディングの実践テクニック、システムデザイン面接のフレームワーク、そして最後に面接官の心を掴む「逆質問」の戦略までを徹底解説します。
🚀 ITエンジニア転職攻略講座 カリキュラム
- 【第1回】市場分析。2026年、AI共存時代に「勝てる」職種とスキルセット
- 【第2回】自己分析。ジェネラリストかスペシャリストか?キャリアの棚卸し
- 【第3回】書類選考。AIフィルターを突破する「職務経歴書」の書き方
- 【第4回】ポートフォリオ。GitHubとQiitaで「技術力」を可視化する
- 【第5回】企業選び。エージェント vs ダイレクトリクルーティング徹底比較
- 【第6回】面接対策。ライブコーディングと「カルチャーフィット」の攻略
- 【第7回】オファー面談。提示年収を100万円上げる交渉術
- 【第8回】入社後。試用期間を突破し、即戦力として定着するロードマップ
目次
第1章:2026年の面接トレンド。オンラインと「AI面接官」
まずは敵を知りましょう。
2026年現在、エンジニアの面接スタイルは大きく様変わりしています。
1. 一次面接はAIアバター?
大手テック企業やスタートアップの一部では、一次選考(スクリーニング)に「AI面接官」を導入しています。
画面上のAIアバターからの質問に答え、その表情や回答内容、レスポンスタイムが解析されます。
ここでは「笑顔」や「ハキハキ話す」といった基本的なコミュニケーション能力と、技術キーワードの含有率が見られます。
相手がAIだからといって無表情で話すのはNGです。
2. オンライン面接が100%主流
最終面接まで一度もオフィスに行かないことも珍しくありません。
だからこそ、「通信環境」と「機材」への投資は必須です。
- マイク: PC内蔵マイクはノイズを拾いやすいため、ノイズキャンセリング付きのヘッドセットか、単一指向性のマイクを使いましょう。「声が聞き取りにくい」だけでマイナス評価になります。
- カメラ: 部屋の照明を明るくし、カメラの位置を目線の高さに合わせます。見下ろすアングルは威圧感を与えます。
- 背景: 散らかった部屋は論外ですが、バーチャル背景を使う場合は、輪郭が消えないか事前にチェックしましょう。シンプルな壁がベストです。
3. デュアルディスプレイの罠
カンペ(想定問答集)を別モニタに表示するのはアリですが、「目線がずっと横を向いている」とバレバレです。
カンペを見るなら、カメラのすぐ近く(画面上部)に配置するか、堂々と「手元のメモを確認しますね」と言ってから見るのがスマートです。
第2章:ライブコーディング対策。「独り言」が合格の鍵
画面共有をして、エディタ(VS Codeなど)やコーディング試験ツール(HackerRank, Codility)上でコードを書く試験です。
AtCoderのような競技プログラミングとは違い、「対話」が重視されます。
やってはいけない「無言コーディング」
一番の失敗パターンは、出題された瞬間に黙り込んで、ひたすらタイピングを始めることです。
面接官は「正解のコード」が見たいのではなく、「あなたがどうやって問題を解決しようとしているか」を知りたいのです。
合格する「思考の言語化」ステップ
以下の手順で、考えを口に出しながら進めましょう。
Step 1: 要件の確認(Clarification)
問題文が曖昧な場合、必ず質問します。
「入力されるデータの最大サイズはどれくらいですか?」「エッジケース(空配列など)はどう扱いますか?」
→ これだけで「要件定義ができるエンジニア」だとアピールできます。
Step 2: 方針の宣言(Approach)
「まずは愚直にforループ2重で書いてみます。計算量はO(N^2)になりますが、まずは動くものを作りますね」
「ハッシュマップを使えばO(N)に落とせそうなので、そちらで実装します」
→ アルゴリズムの知識があることを示します。
Step 3: コーディング(Implementation)
「ここで行列を初期化して……」「ここでループを回して……」と実況しながら書きます。
Step 4: テストとデバッグ(Verification)
書き終わったら「では、サンプルデータでドライラン(脳内実行)してみます」と言って、変数の動きを追います。
バグを見つけたら「あ、ここは +1 しないとインデックスエラーになりますね」と修正します。
→ 自分でバグに気付ける能力は高く評価されます。
Q. AI(Copilot/ChatGPT)を使っていい?
2026年現在、多くの企業で「AIツールの使用可」とするケースが増えています。
ただし、「無断で使用するのはNG」です。
「GitHub Copilotを使ってもよろしいですか? 普段の開発フローをお見せしたいので」と許可を取りましょう。
許可された場合、AIが出したコードをそのまま鵜呑みにせず、「この実装は効率が悪いので修正します」とレビューする姿を見せれば、さらに評価が上がります。
💡 プロの助言:ド忘れしたら?
「あれ、配列のソートメソッドってなんだっけ……」とド忘れすることは誰にでもあります。
そんな時は「構文を忘れてしまったので、Google検索してもいいですか?」と聞きましょう。
実務でも検索は当たり前なので、基本的には許可されます。「暗記力」より「検索力」です。
第3章:システムデザイン面接。アーキテクトとしての視点
シニアエンジニアやリードエンジニアを目指す場合、コーディングよりもこちらが重視されます。
「Twitter(X)のようなシステムを設計してください」「URL短縮サービスを作ってください」といった、抽象的なお題が出されます。
回答のフレームワーク
いきなり「DBはMySQLで……」と話し始めてはいけません。
以下の順序で設計を進めます。
- 要件の定義:
- 機能要件:ツイート投稿、タイムライン表示、フォロー機能。
- 非機能要件:DAU(デイリーアクティブユーザー)は? 読み込み中心か書き込み中心か? 許容される遅延は?
- 概算見積もり(Back-of-the-envelope estimation):
- 「DAUが1億人、1人1日10ツイートとすると、秒間の書き込みは……」と計算し、必要なストレージ容量や帯域を見積もります。
- 高レベル設計(High-level Design):
- LB(ロードバランサ)、Webサーバー、DB、キャッシュ(Redis)などの箱をホワイトボードツール(Miroなど)に描きます。
- 詳細設計とスケーラビリティ:
- 「読み込みが多いので、DBはリードレプリカ構成にします」
- 「画像の保存先はS3にして、CDNをかませます」
- 「ID生成はSnowflake等の分散IDを使います」
トレードオフを語る
システム設計に唯一の正解はありません。
「NoSQLを使えばスケーラビリティは上がりますが、整合性(ACID特性)は犠牲になります。今回の要件では整合性はそこまで重要ではないので、NoSQLを採用します」
このように、「メリットとデメリットを理解した上で、なぜその技術を選んだか」を説明できるかが合否の分かれ目です。
第4章:行動面接(カルチャーフィット)。STARメソッドの応用
技術力があっても、「この人と一緒に働きたくない」と思われたら不採用です。
ここでは、過去の行動から未来の行動を予測する「行動面接」が行われます。
よくある質問と回答のポイント
Q. 「チームメンバーと意見が対立した時、どう対処しましたか?」
(NG回答)「相手が折れるまで論破しました」「上司に決めてもらいました」
(OK回答)「まず相手の意見の背景にある意図や懸念点を聞き出しました。その上で、プロジェクトのゴール(ユーザーメリット)に照らし合わせて、折衷案を提案しました」
→ 「傾聴」と「全体最適」の姿勢を示します。
Q. 「最近気になっている技術はありますか?」
(NG回答)「特にありません」「忙しくて追えていません」
(OK回答)「Rustに注目しています。メモリ安全性が高く、既存のC++資産を置き換えられる可能性があるからです。週末にチュートリアルを触ってみて、所有権の概念に苦戦しましたが面白いと感じました」
→ 単語を知っているだけでなく、「実際に触ってみたか」「自分なりの見解があるか」が見られています。
STARメソッドを会話で使う
第3章(職務経歴書編)で学んだSTARメソッド(状況・課題・行動・結果)は、面接の会話でも有効です。
ダラダラと話すのではなく、「当時の状況はこうで(S)、課題はこれで(T)、私はこう動いて(A)、結果こうなりました(R)」と構造化して話すと、面接官の脳内メモにそのまま書き込めるため、非常に好印象です。
第5章:逆質問の戦略。「最後に何かありますか?」はボーナスタイム
面接の最後、必ず「何か質問はありますか?」と聞かれます。
ここで「特にありません」と言うのは、「御社に興味がありません」と言っているのと同じです。
逆質問は、疑問を解消する場であると同時に、最後のアピールの場でもあります。
良い逆質問リスト
- 評価軸の確認:
「入社後、活躍されているエンジニアの方に共通する特徴やマインドセットは何ですか?」
→ カルチャーへの適応意欲を示せます。 - 技術的課題の深掘り:
「先ほどマイクロサービス化を進めていると伺いましたが、トランザクション管理やデータ整合性で苦労されている点はありますか?」
→ 技術的な議論ができるレベルであることを示せます。 - チームの雰囲気:
「コードレビューの文化について教えてください。心理的安全性を保つために工夫されていることはありますか?」
→ チームワークを重視していることを示せます。
避けるべき逆質問
- 調べればわかること: 「御社の主力事業は何ですか?」(論外です)
- 条件面ばかり: 「残業はどれくらいですか?」「有給は取れますか?」(オファー面談で聞くべきです。一次面接で聞くと「働く気がない」と思われます)
💡 プロのテクニック:仮説をぶつける
単に質問するのではなく、「私は御社の事業フェーズからして、〇〇という課題があるのではないかと推測しているのですが、実際はいかがでしょうか?」と仮説をぶつけると、「よく調べているな」「視座が高いな」と強烈な印象を残せます。
第6章:トラブルシューティング。回線落ちとデモ失敗のリカバリ
オンライン面接にはトラブルがつきものです。
しかし、トラブルへの対応こそが、障害対応能力のアピールになります。
回線が落ちた場合
パニックにならず、すぐにスマホのテザリングに切り替えるか、電話で連絡を入れましょう。
「自宅の回線トラブルで失礼しました。すぐにテザリングで復帰します」と冷静に対処すれば、逆に「落ち着いている」と評価されます。
事前に緊急連絡先(電話番号)を聞いておくのもプロの仕事です。
デモが動かない場合
ポートフォリオのデモを見せようとしたらエラーで動かない……エンジニアあるあるです。
言い訳をするのではなく、「デモ環境で予期せぬエラーが出ました。原因は〇〇と考えられます。代わりにローカル環境でお見せするか、あるいはコードベースで説明させていただいてもよろしいでしょうか?」と代替案を提示しましょう。
トラブルシューティングの姿勢が見られています。
まとめ:面接は「テスト」ではなく「対話」
お疲れ様でした。
第6回では、面接の実践的なテクニックについて解説しました。
今回の重要ポイント:
- ライブコーディングでは、黙らずに「思考プロセス」を実況中継する。
- システムデザインでは、要件定義から入り、トレードオフを語る。
- カルチャーフィットは「STARメソッド」で具体的エピソードを話す。
- 逆質問は「仮説」を持って挑み、最後のアピールにつなげる。
面接は、企業があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが企業を選ぶ場でもあるの。
対等な立場で、技術の話を楽しんでくればいいわ。
楽しそうに技術を語るエンジニアを、嫌いな面接官はいないからね。
面接をクリアすれば、ついに「内定」です。
しかし、提示された年収や条件をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
最後の大仕事、「条件交渉」が待っています。
次回、第7回は「オファー面談。提示年収を100万円上げる交渉術」です。
日本人が苦手な「お金の話」をスマートに行い、自分の市場価値を正当に評価してもらうための交渉スクリプトを公開します。お楽しみに!
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