【Linux Mint 22講座 第7回】コマンドライン入門。aptとFlatpakを使いこなし「脱・初心者」へ

「黒い画面」は、PCと対話するための魔法のチャットツール。

こんにちは!「LINUX工房」管理人の「リナックス先生」です。
前回までは、マウス操作だけでアプリを入れたり設定したりしてきました。
Linux Mint 22は非常に優秀なので、ターミナル(端末)を開かなくても9割の作業は完了します。

しかし、残りの1割、例えば「システムが固まった時に助け出す」「大量のファイルを一括でリネームする」「詳細なエラーログを見る」といった作業には、どうしてもコマンドラインの力が必要です。
そして何より、コマンドを使えるようになると、PC操作のスピードが劇的に向上します。

コウ君

先生、正直に言うと「黒い画面」が怖いです。
映画のハッカーみたいでカッコいいとは思うんですけど、一文字間違えたらPCが爆発しそうで……。
sudo rm -rf / って打つと終わるって聞いたことあります!
僕みたいな初心者でも安全に使えるもんですか?

リナックス先生

コウ君、その警戒心はとても大切よ。
でも、コマンドラインはPCへの「命令書」みたいなもの。
正しい文法と、危険なコマンドさえ知っていれば、これほど忠実で強力な味方はいないわ。
今回は、アプリのインストールからシステム管理まで、プロが日常的に使っている「安全で便利なコマンド」だけを厳選して教えるわね。

本記事では、ターミナルの基本操作から、パッケージ管理システム aptFlatpak の使い分け、そして作業効率を10倍にする「タブ補完」テクニックまでを徹底解説します。


第1章:ターミナルの歩き方。プロンプト記号の秘密

まずはターミナルを開いてみましょう。
Ctrl + Alt + T というショートカットキーを押すと一瞬で起動します。
(またはメニューから「端末」を探してください)

プロンプトの読み方

画面に以下のような文字が表示されているはずです。

kou@linux-mint:~$

これは「プロンプト」と呼ばれ、PCからの「命令待機中だよ」という合図です。

  • kou: 現在ログインしているユーザー名。
  • linux-mint: PCの名前(ホスト名)。
  • ~ (チルダ): 現在いる場所(カレントディレクトリ)。~ は「ホームディレクトリ(自分の部屋)」を意味します。
  • $ (ドルマーク): 「一般ユーザー」であることを示します。

管理者権限 (#) との違い

もし、末尾が # (シャープ) になっていたら、それは「スーパーユーザー(root)」権限で動いていることを意味します。
Windowsでいう「管理者として実行」の状態です。
この状態で危険なコマンドを打つと、警告なしにシステムファイルを削除できてしまうため、通常は $ の状態で作業し、必要な時だけ sudo を使って一時的に権限を借ります。


第2章:パッケージ管理の王道「apt」完全攻略

Linux Mint(およびUbuntu/Debian系)におけるアプリの管理コマンドが apt (Advanced Package Tool) です。
「アプリを探す、入れる、消す、更新する」のすべてを担います。

1. システムの更新 (update & upgrade)

第5回でも紹介しましたが、基本中の基本です。

sudo apt update

これは「アプリのカタログ(リスト)」を最新にするコマンドです。アプリ本体は更新されません。

sudo apt upgrade

こちらが「アプリ本体」を更新するコマンドです。
プロはこれらを && (かつ) で繋いで一気に実行します。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

-y は「途中で Yes/No を聞かれたら全部 Yes と答える」というオプションです。

2. アプリの検索とインストール (search & install)

例えば、画像編集ソフト「GIMP」を入れたい場合。

apt search gimp

これでパッケージ名を探し、以下でインストールします。

sudo apt install gimp

もし関連するソフトもまとめて入れたい場合は、スペース区切りで並べます。

sudo apt install gimp inkscape blender

3. アプリの削除と「お掃除」 (remove & autoremove)

アプリを消すときは remove です。

sudo apt remove gimp

しかし、これだけだと「GIMPを動かすために一緒にインストールされた依存ライブラリ」がゴミとして残ります。
これらを一括で掃除するのが autoremove です。

sudo apt autoremove

「ディスク容量が足りないな」と思ったら、これを実行すると数百MB空くことがあります。

💡 プロの豆知識:apt-get と apt の違い
古い記事では apt-get というコマンドが使われていることがありますが、現在は apt が推奨されています。
apt は人間向けに見やすく設計されており、進行状況バーなどが表示されます。
機能はほぼ同じなので、短い apt を使いましょう。


第3章:次世代の主役「Flatpak」完全攻略

第6回で紹介した「ソフトウェアマネージャー」の裏側で動いているのが Flatpak です。
apt はシステム全体に影響を与えますが、Flatpak はサンドボックス(隔離環境)で動くため、システムを汚さずに最新アプリを使えます。

1. アプリの検索 (search)

Flathub(アプリストア)から検索します。

flatpak search discord

結果の中から「Application ID」を見つけます(例: com.discordapp.Discord)。

2. インストール (install)

flatpak install flathub com.discordapp.Discord

apt と違い、sudo(管理者権限)が不要な場合もありますが、システム全体に入れる場合はパスワードを求められます。

3. 更新と削除 (update & uninstall)

Flatpakアプリの更新は以下のコマンドです。

flatpak update

削除する場合:

flatpak uninstall com.discordapp.Discord

さらに、使わなくなったランタイム(共通ライブラリ)のゴミ掃除をするコマンドもあります。

flatpak uninstall --unused

第4章:ファイル操作と「sudo」の魔力

GUIのファイルマネージャー(Nemo)でも操作できますが、コマンドでの操作を覚えると「設定ファイルのバックアップ」などが一瞬で終わります。

基本のファイル操作コマンド

  • cd (Change Directory): 場所を移動する。
    cd Documents (ドキュメントフォルダへ移動)
    cd .. (一つ上の階層へ戻る)
  • ls (List): ファイル一覧を表示する。
    ls -l (詳細表示)
    ls -a (隠しファイルも表示)
  • cp (Copy): コピーする。
    cp file.txt file_backup.txt (バックアップ作成)
    cp -r folder folder_backup (フォルダごとコピー)
  • mv (Move): 移動、または名前変更。
    mv old.txt new.txt (リネーム)
  • rm (Remove): 削除する。※ゴミ箱に入らず即消えます!
    rm file.txt
    rm -r folder (フォルダごと削除)

取り扱い注意! sudo の力

システムの設定ファイル(/etc/ 配下など)を編集する場合、一般ユーザーでは権限がなくて保存できません。
そんな時、コマンドの頭に sudo を付けます。

sudo nano /etc/hosts

これは「SuperUser DO」の略で、一時的に神(root)の力を借りる呪文です。
強力すぎて、重要なシステムファイルも警告なしで消せてしまうため、sudo を使う時は指差し確認をする癖をつけましょう。

💡 禁断のコマンド:sudo rm -rf /
これは「ルートディレクトリ(/)以下のすべてのファイルを、強制的に(f)、再帰的に(r)削除せよ」という命令です。
これを実行すると、PC内の全てのデータが一瞬で消え去り、OSが起動しなくなります。
ネットの掲示板で「PCが軽くなるコマンドだよ」と嘘を教えられることがありますが、絶対に打ってはいけません。


第5章:プロの時短術。「タブ補完」と「エイリアス」

エンジニアが高速でタイピングしているように見えるのは、実は「打っていない」からです。
Linuxには強力な入力支援機能があります。

魔法のキー「Tab」による補完

例えば sudo apt install firefox と打ちたい場合、全部打つ必要はありません。

  1. sudo apt in まで打って Tabキー を押す → install と補完される。
  2. fire まで打って Tabキー を押す → firefox と補完される。

ファイル名も同様です。D と打ってTabを押せば DocumentsDownloads が候補に出ます。
「迷ったらTab連打」。これがLinux操作の極意です。

コマンド履歴の活用

「さっき打った長いコマンド、もう一回打ちたいな」という時。
上矢印キー (↑) を押してください。
過去に実行したコマンドが順番に出てきます。
history コマンドを打てば、過去数千件の履歴一覧が表示されます。

history | grep install

こうすれば、「過去に何をインストールしたっけ?」を一瞬で検索できます。

自分だけの短縮コマンド「エイリアス」

毎回 sudo apt update && sudo apt upgrade -y と打つのは面倒ですよね。
これを update だけで実行できるように設定できます。

ホームディレクトリにある隠しファイル .bashrc を編集します。

nano ~/.bashrc

一番下の行に以下を追加します。

alias update='sudo apt update && sudo apt upgrade -y'

保存(Ctrl+O, Enter)して終了(Ctrl+X)し、設定を反映させます。

source ~/.bashrc

これで、次からは update と打つだけで全自動アップデートが走ります。
自分だけの最強環境を作り上げましょう。


まとめ:キーボードだけで世界を操る快感

お疲れ様でした!
第7回は、Linuxの真骨頂であるコマンドライン操作について解説しました。

今回の重要ポイント:

  • apt はシステム全体の管理、Flatpak は最新アプリの管理と使い分ける。
  • sudo は強力な権限。使うときは一呼吸置いて確認する。
  • 「Tabキー」による補完を使えば、タイプミスも減り作業速度が倍になる。
  • エイリアス設定で、面倒な定型作業を自動化できる。
リナックス先生

最初はコマンドを覚えるのが大変かもしれないけど、一度慣れてしまうと、GUIのメニューを何回もクリックするのが億劫になるはずよ。
コマンドラインは、あなたがPCの「主導権」を握るための最高のツールなの。

さて、これで基本的な使い方はマスターしました。
しかし、長く使っていれば必ずトラブルに遭遇します。
「Windowsのファイルが開けない」「文字化けする」「Windowsアプリが動かない」。

次回、最終回(第8回)は「トラブルシューティング。WindowsファイルへのアクセスとWine」です。
Windowsとの相互運用における問題を解決し、完全な移行を実現するための最後の仕上げを行います。お楽しみに!

▼ コマンド操作を試すなら ▼

壊しても安心な環境で練習
「おすすめVPS」

おすすめVPSを見る

コマンドスキルを仕事に
「ITエンジニア転職」

転職エージェントを見る

コメント