【Linux移行講座 付録】脱・食わず嫌い。ターミナル(黒い画面)を使いこなしてLinuxを支配する

「マウス」は便利だが、「キーボード」は速い。

こんにちは!「LINUX工房」管理人の「リナックス先生」です。
全8回の連載、本当にお疲れ様でした。
GUI(マウス操作)だけでLinuxを使えるようになりましたが、時々ネットでトラブル解決法を検索すると、こんな記述に出くわしませんか?

「ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行してください」

コウ君

先生、それです!
ネットの解説記事を見ると、急に黒い画面に英語の呪文みたいなのを打ち込んでて…。
「これやってPCが壊れたらどうしよう」って怖くて、そこで諦めちゃうんです。
今のままでも使えてるし、黒い画面なんて一生触らなくてもいいですよね?

リナックス先生

もちろん、GUIだけでも一生困らないようにLinux Mintは作られているわ。
でもね、食わず嫌いはもったいないわよ。
ターミナルは「PCと直接対話するためのチャットツール」みたいなもの。
慣れれば「画像ファイル100個の名前を一括変換する」なんて作業が3秒で終わるの。
今回は、怖くない「黒い画面」の歩き方を優しく教えるわ!

本記事では、Linux Mintの「端末(Terminal)」を使って、基本的なファイル操作から、システム管理、そしてプロが実践する効率化テクニックまでを解説します。
これを読めば、コピペで済ませていたコマンドの意味が理解できるようになります。


第1章:なぜ「黒い画面」を使うのか? (GUI vs CLI)

マウスで操作する画面を GUI (Graphical User Interface)、文字だけで操作する画面を CLI (Command Line Interface) または CUI (Character User Interface) と呼びます。

CLIを使う3つのメリット

  1. 圧倒的に速い:
    「フォルダを開く→ファイルを探す→右クリック→名前の変更」という動作も、コマンドなら数タイプです。
  2. 自動化できる:
    コマンドを並べた「スクリプト」を作れば、複雑な作業をワンクリックで再現できます。
  3. リモート操作に強い:
    サーバー管理などでは、重い画面転送をせずとも、文字情報だけで遠隔操作ができます。

ターミナルの起動

Linux Mintでは、Ctrl + Alt + T キーを押すだけでターミナルが起動します。
このショートカットキーだけでも覚えて帰ってください。


第2章:基本の「き」。ディレクトリ移動とファイル一覧

まずは、自分がPCの中の「どこ」にいて、「何があるか」を知るコマンドです。

1. pwd (print working directory)

「今どこ?」を確認するコマンド。

$ pwd
/home/taro

これは「ルート(/)の中の、homeの中の、taroというフォルダにいます」という意味です。

2. ls (list)

「何がある?」を確認するコマンド。

$ ls
Desktop  Documents  Downloads  Music  Pictures

ファイルやフォルダの一覧が表示されます。

プロの技: ls -l と打つと、ファイルサイズや更新日時などの詳細が見られます。ls -a と打つと、隠しファイル(ドット . から始まるファイル)も見えます。

3. cd (change directory)

「移動する」コマンド。

$ cd Documents
$ pwd
/home/taro/Documents

一つ上の階層に戻るには cd .. と打ちます。
ホームディレクトリに戻るには単に cd と打つだけです。

💡 プロのノウハウ:タブ補完を使え!
「Documents」と全部打つ必要はありません。
cd Doc くらいまで打って Tabキー を押してみてください。
残りの文字が勝手に入力されます。
これが使えるようになると、タイピング速度が爆上がりし、打ち間違いもなくなります。


第3章:ファイル操作の基本と「破壊」への恐怖

ファイルを作ったり消したりする操作です。
CLIでの削除は「ゴミ箱」に行かず、即座に消滅するので注意が必要です。

1. mkdir (make directory)

フォルダを作る。

$ mkdir memo

2. touch

空のファイルを作る(本来はタイムスタンプ更新用ですが、作成によく使われます)。

$ touch test.txt

3. cp (copy)

ファイルをコピーする。

$ cp test.txt backup.txt

フォルダごとコピーする場合は cp -r フォルダ名 コピー先 とします(-r は再帰的という意味)。

4. mv (move)

ファイルを移動する。または名前を変更する。

$ mv test.txt memo/  (移動)
$ mv backup.txt new_name.txt (リネーム)

5. rm (remove)

ファイルを削除する。
※警告:元に戻せません!

$ rm test.txt

フォルダごと削除する場合は rm -r フォルダ名 です。

💀 絶対にやってはいけないコマンド
ネットのジョークなどで見かける sudo rm -rf / は、PC内の全データを問答無用で消去する自爆コードです。
意味もわからずコピペ実行するのは絶対にやめましょう。
プロは、rm を使う前に必ず ls で対象を確認するか、-i オプション(削除前に確認する)を付けて事故を防ぎます。


第4章:最強の権限「sudo」とパッケージ管理

Linuxを使っていて最も目にするのが sudo (superuser do) です。

管理者権限とは?

Linuxでは、普段は権限の弱い「一般ユーザー」として操作し、重要なシステム変更をする時だけ「管理者(root)」に変身します。
その変身ベルトが sudo です。

$ sudo apt update

これを打つとパスワードを求められます。
「一時的に管理者権限を借りて実行する」という意味です。

apt (Advanced Package Tool)

第4回で紹介した「ソフトウェアマネージャー」の裏側で動いているのがこのコマンドです。
アプリのインストールや削除を行います。

  • リスト更新: sudo apt update
  • 全更新: sudo apt upgrade
  • インストール: sudo apt install アプリ名 (例: sudo apt install git)
  • 削除: sudo apt remove アプリ名

「GUIで検索してボタンを押す」よりも、「コマンド一発」の方が遥かに速いため、慣れたユーザーは皆こちらを使います。


第5章:知っておくと玄人っぽい便利コマンド集

ここからは、少し応用的な「知っていると便利なコマンド」を紹介します。

1. grep (グレップ)

ファイルの中から「特定の文字」を探し出すコマンド。
大量のログファイルからエラー箇所を探す時などに重宝します。

$ grep "error" application.log

2. history

過去に打ったコマンドの履歴を表示します。

$ history

プロの技: Ctrl + R を押すと、過去の履歴から検索モードになります。
「update」と打つだけで、過去に打った sudo apt update を呼び出せます。
同じコマンドを何度も打つ必要はありません。

3. top / htop

Windowsの「タスクマネージャー」のCUI版です。
CPUやメモリの使用率をリアルタイムで表示します。
htop の方がカラフルで見やすいので、sudo apt install htop で入れるのがおすすめ)

4. cat / less

ファイルの中身を表示します。

  • cat: 全てを一気に表示(短いファイル向け)。
  • less: 1ページずつ表示し、スクロールできる(長いファイル向け)。

第6章:プロのターミナル環境構築術

最後に、私が実践している「ターミナルを快適にする設定」を紹介します。
デフォルトのターミナルは少し素っ気ないですが、カスタマイズすれば相棒になります。

1. 見た目のカスタマイズ

ターミナルのメニュー「編集」→「設定」から。

  • 色: 「Tango」や「Solarized」などのプリセットから、目に優しい配色を選びます。
  • 透過: 背景を少し半透明にすると、裏にあるブラウザを見ながらコマンドを打てて便利ですし、何よりカッコいいです。

2. エイリアス (別名) の設定

長いコマンドを打つのは面倒です。
.bashrc という設定ファイルに「エイリアス」を登録すると、短いコマンドで実行できるようになります。

ターミナルで xed ~/.bashrc を実行し、ファイルの末尾に以下を追記します。

alias update='sudo apt update && sudo apt upgrade -y'
alias ll='ls -l'

保存してターミナルを再起動すると、update と打つだけでシステム更新ができるようになります。

💡 プロの経験談:コマンドは「覚える」のではなく「慣れる」
「こんなにたくさんのコマンド、覚えられない!」と思いましたか?
安心してください。私たちエンジニアも、全てのコマンドを暗記しているわけではありません。
よく使う5つ〜10つくらいを指が覚えているだけで、あとは必要な時にググったり、man コマンド名(マニュアル表示)を見たりしているだけです。
「習うより慣れろ」です。まずは lscd だけで十分ですよ。


付録まとめ:GUIとCUIの二刀流へ

今回の付録では、Linuxの裏側である「ターミナル」の世界を少しだけ覗いてみました。

今回の重要ポイント:

  • ターミナルは「Ctrl+Alt+T」で瞬時に呼び出せる便利ツール。
  • 「ls」「cd」「pwd」が基本の3点セット。
  • 「sudo」は強力な管理者権限。使う時は慎重に。
  • 「Tab補完」と「履歴検索(Ctrl+R)」を使えば、タイピング量は激減する。

普段は便利なGUI(Linux Mintのデスクトップ)を使い、少し凝ったことをしたい時やトラブル対応の時だけCLI(ターミナル)を使う。
この「二刀流」こそが、Linuxを最も効率よく、楽しく使うスタイルです。

全8回+付録にお付き合いいただき、ありがとうございました。
あなたのLinuxライフが、発見と喜びに満ちたものになることを心から願っています。
Windowsの呪縛から解き放たれた自由な世界を、存分に楽しんでください!

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